2019年5月24日(金)
「誰にも言わないでね」で、みんなにバレる
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「誰にもいわないでね」はみんなに吹聴しているようなもの。

 あなたの秘密を人に知られたくなければ、他人にはいっさいそのことを口外しないことです。人に知られたくないことは、自分一人の胸にしまっておきましょう。

 というのは当たり前のこと。ですが、なかなか黙っていられないのが人のつね。

 トラブルが起きたときやショッキングな体験をしたときなど、そのことを人に話さずにはいられないことがあります。

 何か不安を抱えているときや、不愉快なことがあったとき、怒りに駆られたときなども、自分一人でかかえきれず、ついそのことを誰かに話してしまうことがあります。人に話せば、すっきりすることもあります。

 たとえば、会社に行くまでの間に事故を目撃してしまった。駅の構内で人とぶつかって不愉快な思いをした。コーヒーを飲もうと立ち寄った喫茶店で、店員の応対がとても不愉快だったなど・・・。

 会社についたら、比較的親しい同僚にその話をするかもしれません。話さないまま、仕事をしようとしても、なかなか感情が収まらず、集中できないかもしれません。

 でも、人に話してしまえば、そして人に聴いてもらえれば、それだけであなたの気持ちは落ち着いてきて、冷静に事に当たれるようになるでしょう。話してしまえばすっきりして、ようやくそ仕事に取り掛かれるわけです。

 

 
 

「千人の人と親しく挨拶をせよ。だが秘密を打ち明けるのはそのうちのひとりにとどめておけ」

 「みんなには内緒にしておいてほしいのだけど」と言って話したことが、いつの間にかみんなに伝わってしまっていたという経験はありませんか。

 あるいは、「この話は他の人には言わないでと言われているから、ここだけの話にしておいてほしいのだけれど」と口止めされてから、噂話を聞かされたことはありませんか。

 「誰にも話さないでね」「ここだけの秘密にして」は、たいてい話した友人の口から仲間内に伝わってしまうのです。それは話されたことの内容を、黙って自分のうちにとどめていくことができず、話さずにはいられない人がたくさんいるからです。

 もちろん、そういった人に、秘密を打ち明けるのは得策ではありません。とくにその話が深刻な内容のものであったり、スキャンダラスなものであればなおさらです。「ここだけの話にして」「秘密にしといて」は自分からその話を吹聴しているようなものです。秘密を打ち明けられたほうは、それがプレッシャーになりストレスになって、ますます話さずにはいられない衝動に駆られるのです。

 この心理法則を利用するなら、本当は周りの人に知ってほしいけれど、自分の口からいえば自慢話と受け取られかねないようなことを、「他の人には黙っといて」「誰にも言わないで」と念押しして、とくに秘密を守ることにプレッシャーを感じそうな人にこっそり誰かに伝えることです。

 そうすれば、あなたがみなに知ってほしかったことは、自慢話としてではなく、その人の口から噂話として、みんなに伝わることになるでしょう。

 何かというと「どうしよう、どうしよう」と言って、自分の悩みを人に相談する人、「こりゃたいへんだ」と言って騒ぎだてる人。「ああ、もう絶望的」とため息をついて落ち込む人。そういったタイプの人はとくに、「話さずにはいられない」タイプの人ですから気をつけましょう。

◆愚かな選択→「誰にも言わないで」「ここだけの秘密にして」とわざわざ念押しし、相手にプレッシャーを与えて「話さずにはいられない症候群」を呼び起こし、結局、「あれほど黙っててって言ったのに」と悔しがることになる。

◆賢い選択→誰に何を話すか相手を選ぶ。日ごろ、その人がどんなことを話題にしているかで、相手が本当に秘密を守れる人かどうか見極めがつくはず。古い格言には、「千人の人と親しく挨拶をせよ。だが秘密を打ち明けるのはそのうちのひとりにとどめておけ」というのがあります。シラ書(集会の書)6:5-17


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