2020年12月6日(日)
雷山小過
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62:雷山小過


 易経64卦を順番に紹介しています。

   雷山小過

 小過は、亨(とお)る。貞しきに利(よ)ろし。小事には可なり。大事には可ならず。飛鳥これが音を遺(のこ)す。上るに宜(よ)ろしからず、下るに宜し。大いに吉なり。(『易経』経文より)

  山の上に雷轟く
  小さいものが過ぎゆく
  鳥が鳴き声を残して飛び立つ
  しかし高く飛ぶのではない
   

  
<解説>

 外卦は雷=震、内卦は山=艮です。山の上で雷が鳴っています。それはやがて通り過ぎるでしょう。「小過」は小さいものが過ぎゆくという意味。そこで、小さいことを行うのはいいでしょう。けれども、大事を行うべきときではありません、ということになります。

 この卦の象(しょう)を=形をよくみると、まるで鳥が羽を広げ飛び立っていく様子を表しているように見えます。

 鳥が羽ばたき翼を広げて飛び立った。その音がまだ残っているが、いまは高みを目指して飛ぶときではない。
高みに昇ればやがて行き場を失うだろう。むしろ、地上に舞い戻った方がいい。

 このように、いまは高く飛び立つときではありません。身を低くして謙虚に下るほうがいいのです。

ということになります。


<この卦が出たら・・・>


【全体運】吉。上を見るより謙虚に過ごす心掛けにより大いに吉。

【願い事】小事は叶います。

【仕事・人間関係】大事を行うべきときではありません。大きなことを行っても成功しません。上昇志向が強すぎるとうまくいかないでしょう。低いところを飛ぶような謙虚な態度を保ちましょう。
 
【戒め】上り詰めることを考えるより、身を低くして謙虚な姿勢を保つことが時機にかなった態度です。ただただ上るばかりがいいわけではありません。上り詰めることを考えるより、ほどよいところで時機に応じて動く方がよい時もあるのです。

【金運】よいとは言えません。見栄を張らず、倹約を心がけるときです。

【恋愛・出会い】高望みせず、身の丈に合った相手を探しましょう。

【カップル・相性】まるで背中合わせのふたり。お互いに気持ちが他のこと(人)に向いています。誠実に向き合わなければ、気持ちはますます離れていってしまうかも。しっかり、向き合ってください。




 雷山小過は62番目の卦、飛ぶ鳥の姿を現し、飛鳥の象(しょう)と呼ばれます。

 61番目の風沢中孚も鳥のイメージでした。風沢中孚は卵を抱く親鳥のイメージ。仲が柔らかく外が硬く、大事なものが守られている感じでした。

 その次に来る62番目の卦、雷山小過(らいざんしょうか)も鳥のイメージですが、こちらは翼を広げて飛んでいく鳥です。3爻めと4爻めが陽の符号で、鳥の胴体を表し、初爻・2爻と5爻・6爻が翼を表わしているわけですね。

 ただ、この卦はどこまでも高く飛ぶことをすすめてはいません。むしろ、高く飛びすぎることを戒めています。


 互いに裏卦(りか)となります。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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