2020年12月5日(土)
風沢中孚
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61:風沢中孚(ふうたくちゅうふ)


易経64卦を順番に紹介しています。

   風沢中孚

  湖に浮かぶ舟
  卵を抱く親鳥・ふ化
  バランスが取れている

 中孚(ちゅうふ)は、豚魚(とんぎょ)にして吉なり。大川を渉るに利ろし。貞しきに利(よ)ろし。(『易経』経文より)

  外は堅いからに守られ中は柔らかい卵のよう。
  親鳥が抱く鳥の卵のように守られています。

<解説>

 易経61番目のこの卦は、内卦が兌=沢、外卦が巽=風です。

 風が沢の上を吹き、それに応じて沢の水が波立っている光景を思い浮かべてみてください。あるいは、湖に木の舟が浮かんでいる。どこへ向かうでもなく、ゆったりと浮かんでいます。

 「中孚「」の「孚「」は「まこと」ありの孚(まこと)です。誠意を意味しています。心に誠があって、喜んで(=内卦の兌が喜びを示す)従う(外卦の巽が従うという意味を持つ)という意味です。

 この卦は象(かたち)は、初爻と2爻、5爻と上爻が陽=(剛・硬い)で、3爻と4爻が陰=(柔・柔らかい)ので、それはまるで卵のようです。親鳥が卵を抱いているのですね。卵を抱いて守っていると同時に、温めて付加させようとしています。そういうところをイメージしてみてください。

 内卦を目下の者とすると、目下の者が喜び、外卦の目上の者が謙遜でいるので、その誠心誠意が通じる状態となっています。

 とても誠実な関係なので、その心は川に棲むむフグやイルカにまで及びます。豚魚(とんぎょ)は岩波文庫ばんではフグとなっているのですが、筆者はイルカだと習ったように思います。どちらもお腹のあたりがふっくらと膨らんでいますね(笑)

 「吉なり」ですから、運気はよく、大きな川を渡るような大事を行ってもかないますという意味になります。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】吉。何の心配もいりません。

【願い事】叶います。

【仕事・人間関係】誠心誠意が通じる状態です。目下の者が悦び、目上の者が謙遜で、その誠信(まごころ)が通じます。自分が安全に守られているということを信頼し、行動してください。大事を決行してもよいでしょう。成功します。誠心誠意尽くしましょう。必ず、伝わります。アイデアを温めておきましょう。大事に育てれば実ります。

【戒め】寛大な心をはぐくみましょう。心配しなくても大丈夫。

【金運】収支のバランスはとれています。お金のことで思い悩む必要はありません。

【恋愛・出会い】互いの方を向いています。その人とは相愛です。気持ちを温めあいましょう。

【カップル・相性】誠実な関係です。誠心誠意尽くし合い、互いに守り、守られて、気持ちは通い合っています。




 風沢中孚は61番目の卦、鳥のイメージでしたが、その次に来る62番目の卦、雷山小過(らいざんしょうか)も鳥のイメージです。両者の違いは、風沢中孚は卵を抱く鳥ですね。巣の中にいる感じです。

 これにたいして雷山小過は飛鳥の象(しょう)といって、飛ぶ鳥のイメージです。陰陽の符号はひっくりかえっていますね。


 互いに裏卦(りか)となります。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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