2019年6月6日(木)
毒になる人間関係  あるある、こういうこと…
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あなたの心を蝕む人間関係デトックス


 体の中にたまった毒素を取り除くというデトックスと呼ばれる健康法があります。毎日の生活のなかで微量に取り込まれている毒素が、じつは私たちの身体に大きな害を及ぼしている。それゆえ、そういった毒素を排除し、体の中を浄化しようという理屈です。

 デトックス=解毒を行うと、やせやすい体になるということで、ダイエット法として宣伝されているようです。それはさておき、毒ということで言うならば、ふだんの人間関係のなかにも、長年続けていると毒になるものがあり、気づかぬうちにあなたの心を蝕んでいるものがあります。

 そこで、人の集まりや付き合いのなかで、よくある毒を含んだ関係性について抜き出し、チェックリストにしてあげてみることにしました。あなたの身近な人間関係をチェックしてみてください。

【毒になる人間関係】 あるある、こういうこと…

・口約束が軽んじられ、めったに守られることはない。

・人の悩みや苦しみが「また言っている」ぐらいにしか受け取られず、ときに冗談の種にされる。

・うっかり口に出したことが相手や仲間内でのトラブルの原因になる。

・先に帰った人のことがたいていみなの噂にのぼる。

・他人の噂話に乗ってこない人は面白くないので誘われない。

・よく「言ったの」「言わないの」とごたごたが起こる。

・自慢話に聞こえそうなことはやっかみを買うといけないのでその人や仲間の前では話せない。

・けなしあうことは親密さの表れだと受け止められている。

・目に余ることがあって、相手に注意しても「あなたに言われたくない」といわれるだけだ。

・ときどき仲のいいグループのメンバーが入れ替わり、そのグループから理由なくはずされている人がいる。

・仲間内でしか通用しない合図や隠語があり、初めての人にはそのことが説明もされず、そのことに通じていないと違和感がある。

・新入りをなかなか受け入れない。

・能力のある人を「自分たちとは違う」と言ってのけ者にする。

 以上の項目で、「あるある」が多いほど、あなたの心は人間関係の毒に蝕まれている可能性があります。

 

 では、より健全な人間関係とはどういうものなのでしょうか。
 以下に【毒になる人間関係】との対比で、「こんな人たちと付き合っていけたらいいね」を挙げてみました。現実にありうる生産的でクリエイテイブな人たちの特徴とも重なっているかと思います。

【より健全な人間関係】 こういう人たちと付き合いたい…

・口約束でもきちんと守られる。

・人の悩みや苦しみを共感的に受け止め、必要なときにはサポートや慰めを与えてくれる。

・多少の失言は寛容に受け止められ、信頼回復のチャンスがある。

・そこにいない人についてのネガティブな噂話はしない。

・共通のテーマや仕事、関心事についての話題が盛り上がる。

・話が通じる。コミュニケーションの風通しがよい。

・誰かの成功をみんなで喜ぶことができる。

・人をけなすようなことや相手の人格を否定するようなことは言わない。

・自分に耳の痛いことも真摯に受け止め、それを指摘した人を恨むようなことはない。

・グループ内での人間関係が安定していて、一人一人が尊重されている感じがする。

・誰にも疎外感を与えない開かれた会話が成り立っている。

・職業・性別・年齢・置かれた環境等によって、差別されない。みなが対等に接している。

・新しい人にも関心を持ち、親切に受け入れる。

・能力のある人には敬意を表し、自分の能力を磨くことにも熱心。

・ユーモアがある。

【応用編】 私たちの心が人間関係の毒に蝕まれていると、より健全な人たちの言動が「偽善者的」に聞こえたり、その人たちに対してなんとなく「僻みっぽい」感情を抱くこともあります。また、人間関係の毒に蝕まれた人が、より健全な人間関係のなかに入っていくと、かえって居心地の悪い感じがします。その居心地の悪さに耐えなければ、人間関係デトックスは成功せず、もとのストレスフルな関係に逆戻りしてしまうかもしれません。

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