2020年4月29日(水)
山水蒙
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04:山水蒙(さんすいもう)


 周易64卦を紹介していきます。

 山水蒙


 山の中の湧水。
 無知な子供・未熟


蒙(もう)は亨(とお)る。我より童蒙に求るにあらず。童蒙より我に求む。初筮(しょぜい)には告ぐ。再三すればけがる。けがるれば告げず。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。(『易経』経文より)

 うっそうとして暗く草木生い茂る山中から
 湧き出た水の流れはちょろちょろと流れてゆきますが
 その流れはどこへ向かって行くのか
 まだ行くべき方向が定まらない状態です。
    
<解説>

 この卦は山の中の湧水が、生い茂る草木の下を流れるさまを表しています。山水蒙の「蒙」は無知蒙昧の蒙、暗くてはっきりしない状態を意味しています。この卦には、未熟な子供が自ら師を求めて学ぶという意味もあります。未熟な者はまだ物事をよく知らない状態にあり、自分から学ぶ姿勢が大事だということになります。

 この卦は、自分から学ぶ姿勢を持つことが必要だと告げています。何か学びたいこと、身に着けたいことがあるなら、知恵ある人のもとに通い、教えを乞うのがよいでしょう。先生、指導者、コーチ、師匠、導き手と呼ばれるような人のもとで学び、技術を習得し、経験を積み、実力をつけてゆきましょう。

「初筮(しょぜい)には告ぐ。再三すればけがる。けがるれば告げず。」というのは、易占の心構えについて説いたところです。これは「同じことを何回も占うな」ということ。
最初に出た卦の告げるところが気に入らないからと言って、何度も同じことについて占うのは易占の神聖さを汚すことになるし、答えは告げられないということなのです。


<この卦が出たら・・・> 

【全体運】:ゆくべき方向が定まらぬ時期。先行きははっきりしません。

【願い事】:願い事は叶います。動機が正しければうまくいきます。 

【仕事】:人間関係:先行き不明です。何かを学ぶために、学校に通うことなどを考えている人にとっては、いい時期です。ゴーサインです。自己流や独学は、おすすめできません。自ら師を求めて、学ぶべき時です。自分から、積極的に取り組んでください。どのような人物を師と仰ぐか、指導者・先生・メンターの選び方を間違えないようにしたいもの。自らの未熟さを自覚し、教養を身に着け、自己を高めていきましょう。

【戒め】:何度か同じようなことを占って、この卦が出たら、それは「何度も同じことを占うべきではない。」という戒めです。最初に占って出た結果こそが、あなたにとって必要なことを告げているのであり、何度も同じことを占うと易の神聖さを汚すことになります。

【お金】:何をしてもあまり儲かりません。お金のことより、自分の能力・スキルを高めることが先決です。

【恋愛】:恋のゆくえは曖昧模糊として、どこへゆくのか先はわかりません。その恋は“若気のいたり”です。成熟した大人の恋ではありません。

【相性】:二人とも未熟。先行きは不明。相手は変わらないが、あなたの気持ちが冷めたのかも。
「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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