05:水天需(すいてんじゅ)
周易64卦を紹介しています。
水天需
行く手に険難
飲食して待つ。
需は孚(まこと)あり。光(おお)いに亨(とお)る。貞(てい)なれば吉なり。大川を渉るに利(よ)ろし。(『易経』経文より)
天の上に雲がわいています。
雨乞いをして、恵みの雨が降るのを待っているような状態です。
行く手に険難が待ち受けていますが、
いまは焦らず飲食を楽しみつつ、余裕をもって待つときです。
<解説>
天の上に水があります。この水は空を覆う雲を表しています。雲がわいてくると、やがて雨になりますが、恵みの雨はまだ降りそうにありません。そこで、この卦は、今は待つときという意味になるのです。
古代の中国では、恵みの雨は、雨乞いの儀式によって求められました。この卦には「君子もって飲食享楽す」とあり、楽しく飲食して待つ時を表しています(「君子」とは、理想的な人格の人を意味しています)。
この卦は外卦が水(坎)で、水は険難を表すので、行く手に困難があるということを示してもいますが、内卦が天(乾)で剛健なので、思い切った行動を越し、積極的に物事を行ってもうまくいくのです。そこで、憂うることなく、飲食して待ちましょうということになるのです。
<この卦が出たら・・・>
【全体運】:バランスがとれています。いまは待つ時です。
【願い事】:かないます。すべてうまくいきます。待ち人は遅れてやってきます。
【仕事・人間関係】:前進するときです。大事を決行すれば成功します。行く先に困難が待ち構えていても、あなたが正しいやり方で、やるべきことをきちんとやっていれば大丈夫です。たとえ、時間はかかっても目標達成できるでしょう。人とは楽しく飲食すべし。
戒め:焦るな、焦るな。楽しく飲食して待ちましょう。
【お金】:飲食を楽しみましょう。ちゃんとやっていれば、困窮するようなことはありません。
【恋愛】:パーティや合コンなどに出かけるといい人と巡り合えるでしょう。何がなんでも相手を見つけたいという気持ちで挑むのではなく、そのときその場を楽しみましょう。
【相性】:相手に対して期待しすぎです。あなたが積極的になりすぎると、相手の方がちょっと冷めた気持ちになります。ふたりでいる時間を楽しみましょう。
「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。
筆者は日本易道学校にて周易を学びました。