2020年5月3日(日)
天水訟
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06:天水訟(てんすいしょう)

周易64卦を紹介しています。

 天水訟
 天から与えられた試練
 訴訟・葛藤

 訟は、孚(まこと)ありて窒(ふさ)がる。おそれて中すれば吉、終われば凶なり。大人を見るに利ろし。大川を渉るに利(よ)ろしからず。(『易経』経文より)


 天は上に昇り、水は下に流れてゆきます。
 両者交わらず、互いは食い違いが多いときです。
 たとえ自分に否はなくても、訴訟には勝てません。

<解説>

 内卦が水(坎)、外卦が天(乾)です。水は下降し、天は昇る性質から、両者は離れてゆきます。うまく交わらず、互いに食い違いが生じるのです。訴訟の訟は何か訴えがあるということ。

 何か争い事が生じます。誰かが不平不満を漏らしているようです。仕事がらみでしょうか。人間関係でしょうか。あなたが抱えている状況に照らし合わせてみてください。あなたの心の中に葛藤が生じているのかもしれません。葛藤はしばらく続くでしょう。

 争い事はたとえあなたが正しくとも、いまは勝ち目がありません。仕方がない。そのときは、天から与えられた試練と受け止め、自分の気持ちが揺らがないように平静を保ちましょう。しっかり深呼吸し、内面を安定させましょう。そして、相手を打ち負かそうとするのではなく、なるべく平和裏に和解の方向に持っていくのが得策です。

「大人を見るに利ろし。」とは、経験豊かな人に相談するのがよいということです。たとえば、訴訟は直接、相手と向き合わず、弁護士に相談するとか。


<この卦が出たら・・・> 

【全体運】:何か食い違いが生じています。思うようにならないときです。

【願い事】:思い通りにはなりません。叶っても不満があります。大事を決行するときではありません。

【仕事:人間関係】:案件によっては訴訟になるかもしれません。争いは避けられません。たとえ、あなたが正しくても、自分を押し通そうとしない方がいいでしょう。勝ち目はありません。ここはちょっと引き下がりましょう。仕事上の食い違いは、自分のやり方に固執し、押し通そうとすればうまくいきません。就職は、裁判・調停・弁護・仲介など、訴訟に関連する仕事・法律関係の仕事に就くのは吉、適職です。

【戒め】:立場や意見の食い違いからくる争いごとが起きないように、慎重に物事を推し進めてゆきましょう。自分を押し通し、大事を決行しようとすれば、落とし穴に陥るようなことがあります。気をつけてください。経験豊かな人に相談しましょう。

【お金】:金銭面でのトラブルに気をつけてください。

【恋愛】:欲求不満を抱えた状態でうまくいきません。相手に対して不満があります。いい相手ではありません。

【相性】:相手が積極的になるほど、あなたの気持ちは冷めてしまいそう。あなたが不満を抱いているのではありませんか。相手の言うことをよく聞いて、不満を解消しましょう。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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