09:風天小畜(ふうてんしょうちく)
周易64卦を紹介しています。
風天小畜
天の上を風が吹く。
小さくとどめる。
まだ力が弱い。
小畜は、亨(とお)る。密雲あれど雨ふらず、わが西郊よりす。(『易経』経文より)
天の上を風が吹き、あとからあとから雲がわいてきます。
けれども、恵みの雨はまだ降らず、
風の恩恵はまだ人々には及ばない状態です。
<解説>
風が天の上を行くのが小畜です。自然のイメージは空の上に風が吹行き渡っている状態です。この卦は一本の陰の符号の他は、すべて陽の符号からなり、「一陰が五陽をとどめる」という意味になり、強弱で言えば、陽は強い、陰は弱いということになるので、留める力が弱いということになります。したがって、「小畜」となるわけです。
そこで、この卦が出たら、「あなたはすでにスタートのところに立ってはいるのですが、ステップを上っていくのはまだまだこれからです。性急に大きな望みをかなえようとしてもかないません。着実にステップを踏んでいきましょう」ということになるわけです。西の郊外から陰の気が増し、雲が湧いてきています。今はまだ雨は降っていませんが、やがては恵みの雨が降るでしょう。
<この卦が出たら・・・>
【全体運】:力はまだ弱い。いまはまだ留まっている状態です。
【願い事】:やがては恵みの雨が降るでしょう。願い事はかないますが、いますぐではありません。
【仕事・人間関係】:いまはまだチャンスがつかめない。事を行うにもまだ力が弱く、いまはその力を蓄え養うべき時です。
【戒め】:いまのうちに能力を磨き、実力を高めておきましょう。いっきに上に上がろうと高望みせず、高い目標に向かって、日々努力を重ね、着実にステップを踏んでゆくときです。
【金運】:小銭が貯まります。でも、十分ではありません。散財しないように気を付けましょう。
【恋愛】:思わせぶり。女性はもてます。男性はライバルが多く、積極的にアピールできないと振られてしまいます。
【相性】:カップルは相性がよさそう。理解しあえる二人が幸福。お互いに高望みしないことでうまくいくでしょう。
「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。
筆者は日本易道学校にて周易を学びました。