2020年5月20日(水)
天地否
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12:天地否(てんちひ)

 天地は離れて
 交わらず
 塞がっている。

 天地否


 否(ひ)はこれ人にあらず。君子の貞(てい)に利(よ)ろしからず。大往き小来る。(『易経』経文より)

  天と地は離れて交わらず、塞がっている状態です。
  何事においても答えは「否(ノー)」です。

<解説>

 私たちの常識からすると、天が上にあって天の下に地があるというのは自然なことのように思えますが、『易経』の世界では、“気”の流れを見ています。

 天は上昇し、地は下降するエネルギーです。ですから、天は上り、地は下がり、両者は離れて交わることがないということになるわけです。

 これは意思疎通を欠いている状態で、ここから先に行けない、塞がっている、行き止まりという意味になります。否は否定で、占ったことに対する答えは、すべてにおいて「ノー」です。いかにあなたが人格すぐれた人でも、あなたが正しい行いをしていたとしても、いまは小者がはびこる時期なのでダメなのです。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】:運気低迷。何事もうまくいきません。そういう時期なのです。

【願い事】:いまはかないません。時期を待ちましょう。 

【仕事・人間関係】:小者が幅を利かせています。社内では上下の意思疎通を欠く状態。このような時期は控えめに行動し、余計なトラブルや葛藤を抱えずに、コツコツと実力を蓄え、小者が衰退していくのを待ちましょう。

【戒め】:このような時期は万事控えめに、目立たぬように行動し、外からの災いが降りかかるのを避けるようにしましょう。欲望のままに行動してはいけません。やがて、運気の流れも変わってくるでしょう。

【金運】いまは倹約につとめてください。

【恋愛】:いい返事が得られません。運命の相手はその人ではないようです。

【相性】:カップルは気持ちが離れています。お互いに分かり合えるようコミュニケーションを深めましょう。譲り合えば、少しずつ理解が深まるでしょう。




 何もかもうまくいかないってとき、ありますよね。ある方向に進もうとして、なぜかそっちの方向に進めない。仕事でも自分の生き方においても、思うようにいかない。というようなときがあります。

 ふさがっている時期、なのですね。

 コロナ自粛が続く時期、自粛解除になってもどこか気が晴れません。先行きが暗い感じがするかもしれません。でも、投げやりにならず、自暴自棄にならず、暗い気持ちにならず、いまはそういう時期だと心得、動かないのがいいのかもしれません。ふさがっている道の手前で、準備しておくこともあるかもしれませんし、むしろすべてがふさがっているこの時期を耐えて後に、開けてくるものがあるということなのではないでしょうか。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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