2020年6月5日(金)
山風蠱
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18:山風蠱(さんぷうこ)



 周易64卦を順番に紹介しています。

    山風蠱

 山の下に風滞る。
 腐敗・壊乱。
 ブレイクスルー。

蠱は、元(おお)いに亨(とお)る。大川を渉るに利(よ)ろし。甲に先だつこと三日、甲に後(おく)るること三日。(『易経』経文より)

どうも風通しがよくないようです。
空気がよどみ、物は腐敗し、皿の上に虫が湧いています。
だからこそ、思い切って風通しをよくしなければなりません。

<解説>

外卦が山(艮)、内卦が風(巽)です。山の下に風が吹いています。山の下では風が通り抜けることができず、滞ってしまいます。

蠱(こ)という字は、皿の上に虫が三匹のっています。皿の上の食物には虫が湧いています。虫が湧くのは、皿の上のものが腐敗しているからです。それはそのまま放置しておいたらダメですね。風通しを良くし、腐ったものは捨ててしまいましょう。

 この卦が出たら、心機一転、行き詰まりを打破すべく、思い切って行動を起こす必要があります。思い切った行動に出ることが、運気の流れを良くすることにつながります。「甲に先だつこと三日、甲に後(おく)るること三日」とは、マンネリ化を打破するには、心を新たにし、丁寧に行っていくのが肝要ですよという意味です。

 人間関係はマンネリ化しています。男女関係では、くされ縁ということもありますね。この卦は山(艮)=少年と風(巽)=長女で、年下の男性を年上の女性が誘惑していると見なします。別に男性が年下で女性が年上でもいいと思いますが、卦全体の意味からすると、山風蠱の男女は、どうもあまりフレッシュな関係ではなさそうです。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】:心機一転のとき。大事を決行するときです。

【願い事】:(心機一転することによって)大いにかないます。

【仕事・人間関係】:マンネリ化を打破し、思い切って現状打破をはかるべき時です。積極的に行動し、停滞から抜け出しましょう。決断を下しましょう。仕事のやり方、発想を変えてみましょう。人間関係も見直してください。

【戒め】:現状維持ではだめです。これまでと同じことを続けていても、この先うまくいきません。変化を恐れないでください。

【金運】:宝の持ち腐れ。財産をため込むだけでは価値がありません。投資しましょう。自己投資を惜しまず、また出すべき時に出し惜しみしてはなりません。有効にお金を使ってください。

【恋愛】:誘惑の多いとき。男性は年上の女性に惹かれます。でも、遊ばれているだけで、本気で相手にされてはいないかも。女性は年下の男性と付き合うと楽しいでしょう。若い男性もただ年上女性との遊びのつもりで、本気かどうかはわかりません。

【相性】:カップルは倦怠期。新鮮さをとりもどすために、一緒に旅行に出かけましょう。不倫相手の「妻(夫)とはうまくいっていない」「離婚してあなたと一緒になる」は信じないほうがいいでしょう。ただ腐れ縁になっていくだけです。

 

<コロナ感染の不安が続く中での日々、この卦を戒めといたしましょう>

2020年3月以降のコロナウイルス感染拡大で、「三密」を避けることの徹底が求められています。

 密集・密閉・密接の三つの密を避ける! 

・密集⇒人が多く集まるところに行かない、集まらない。
・密閉⇒密閉された空間にいかない。換気の悪い密閉空間にとどまらない。換気をよくすること。
・密接⇒人との距離を保つ。近くで向き合って唾が飛ぶような大声ではなさない。触れ合わない。そして、一定の距離を保つ。

 まさに、山風蠱の状態にならないよう、コロナ時代の戒めとしてこの卦を思い起こすようにいたしましょう。三密を避けると同時に、コロナ以前とコロナ以降では働き方や生活の仕方、人との関係の持ち方なども変化してきました。変えざるを得ないこともあり、変化に対応していかないと生き残れません。心の風通しを良くすることも必要でしょう。困難や不自由も多い時期ではありますが、過去にとらわれず、昨日の自分にとどまらず、前を向いて進みましょう。


「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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