19:地沢臨(ちたくりん)
易経64卦を順番に紹介しています。
地沢臨

陸地が水際に接する。
面と向かって臨む、
アプローチ。
元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただし)きに利(よ)ろし。八月に至れば凶あらん。(『易経』経文より)
陽の気が勢いを増してきています。
運気は上昇、チャンス到来の時です。
すみやかに、事に臨みましょう。
<解説>
外卦が地(坤)で、内卦が沢(兌)。臨海都市のように陸地が水際に接している光景を思い浮かべてみてください。それが地沢臨です。その意味は、物事や時期に直面するということを表しています。好機はもうそこまで来ています。そのチャンスを逃さないよう、面と向かって臨むときなのです。
でも、「八月に至れば凶あらん。」というのが気になりますね。
地沢臨は十二消長卦の一つで、月でいうと二月(旧暦の一月)を表しています。陰陽の符号で見ると、下の二本が陽、上の四本が陰で、次第に陽の気が増してきているときです。
『易経』の中では、地沢臨の次に置かれるのは、風地観という卦です。風地観も十二消長卦の一つで、月でいうと九月(旧暦の八月)を表しています。
陰陽の符号で見ると、上の二本が陽、下の四本が陰で、次第に陰の気が長じてきていることを表しています。「八月に至れば凶あらん。」というのは、そのことを言っているのです。
陽の気が増してくるのは吉で、陰の気が増してくるのは凶だというわけです。
いまの暦で言うと九月になりますが、実際に占ってこの卦が出たら、いまの八月とみてもかまわないと思います。ほぼそのころに運気が下がるからです。八月に入れば、物事が思うようにうまく運ばず、何か問題が生じることがあるので、心してかかりましょう。ということですね。
<この卦が出たら・・・>
【全体運】:上昇運です。チャンス到来。事に臨めば順調にいくでしょう。ただし、八月ごろから、運気衰退の暗示が。
【願い事】:大いにかないます。
【仕事・人間関係】:積極的に臨んでください。何事も早さが勝負です。物事を先送りにするとチャンスを逃します。八月になると、成績が伸びない、業績が悪化するなどの停滞感が出てくるでしょう。それを見越したうえでの方策を立てておきましょう。
【戒め】:凶とは、物事がうまくいかない時期のこと。穴に落ちこんでいるような状態です。エネルギー不足です。しかし、それが永遠に続くわけではありません。その時期をどう過ごすかで、その後の運勢が変わってきます。チャレンジしましょう。
【金運】:今の収入・稼ぎを、いざというときのためにストックしておきましょう。
【恋愛】:恋のチャンス到来。積極的にアプローチしてください。出会いがないという人は、男女が集まるサークルなどに参加し、出会いのきっかけを作るのもよいでしょう。
【相性】:カップルはデートで仲良く絆を深めるとき。別れたカップルは復縁の暗示あり。よりが戻るかもしれません。未練があるなら連絡を取って会ってみて。
「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。
筆者は日本易道学校にて周易を学びました。