2020年6月7日(日)
風地観
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20:風地観(ふうちかん)


 周易64卦を順番に紹介しています。

    風地観

 風が地上を吹き渡る。
 観察・静観


観は盥(てあらい)て薦(すす)めず。孚(まこと)有りて顒若(ぎょうじゃく)たり。(『易経』経文より)

 地上を吹き渡る風のように
 自らは参加せず静観しています。
 陰の気が勢いを増してきているときなので
 油断せず、時を見計らいましょう。

<解説>

 この卦は外卦が風(巽)、内卦が地(坤)で、風が地の上を吹き渡るさまを表しています。観は仰ぎ見るという意味です。風の恩恵はあまねく四方に及びます。   

 昔の祭政をつかさどる者は、神をまつるにまずは手を洗い清め、敬虔の心持で供え物をしました。すべては整然と厳粛に行われ、人々は敬意をもってその儀式を仰ぎ見たのです。これが「観はてあらいて薦(すす)めず。孚(まこと)ありてぎょうじゃくたり。」の意味するところです。

 この卦が出たら、今は積極的に行動を起こすより、静観しているときです。

 全体を眺め渡し、ニュートラルな視点で、起きていることを観察しましょう。客観的に物事をとらえてください。そうすれば、おのずと誰を信頼し、何をなすべきかがわかってくるでしょう。

 ただし、陰の気が増してきているときですから、先を見通し、タイミングを見計らって行動しなければなりません。





<この卦が出たら・・・>

【全体運】:バランスがとれています。客観的に物事をとらえましょう。

【願い事】:ちょうどいい時期に、その時期にかなったことが起きるでしょう。

【仕事・人間関係】:静観しつつ、行動に出るタイミングをつかみましょう。あなたの行いは周りから見られています。あなたが人の上に立つ立場なら、下の人たちからその行動が見られています。誠意をもって行動しましょう。あなたが誠意を尽くせば、周りの人もそれに感化されるでしょう。あなたが誰かの下についていれば、上の人の行動をよく観察しましょう。

【戒め】:周囲の状況をよく観察し、自分自身をも客観的に見る目を養う「自己観察力」が必要です。自意識にとらわれた行動や主観的なものの見方は手放しましょう。ただし、傍観者でいては、時流に乗り遅れます。先見の明があればこそ、タイミングを見計らい、時の変化を見て行動しましょう。

【金運】:ほどほどのところです。お金に執着しません。欲のない態度がいちばん。

【恋愛】:まだ様子見といったところ。相手をよく観察しましょう。あなたも見られています。まだ積極的に行動する時ではありません。

【相性】:傷つくことを恐れて思い切った行動に出られない状態です。カップルはお互いに、もうちょっと積極的になったほうがいいでしょう。セクシャルな親密度を高めましょう。でないと、自然消滅してしまうかも。

「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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