22:山火賁(さんかひ)
明るく照り輝く・優美
飾る・盛る。
山火賁

賁は、亨(とお)る。小しく往(い)くところあるに利(よ)ろし。(『易経』経文より)
山の下に火があり、
あたりの草木を明るく照らし出しています。
それはとても美しい光景です。
<解説>
外卦が山(艮)で、内卦が火(離)。山の下に火が燃えていて、周囲は明るく照らし出され、とても美しい光景です。あるいは、火山の下に太陽が隠れているとみて、山の端を照らす夕映えの美しさをイメージしてみてください。このように外側はとても美しくきらびやかです。
でも、中身はどうでしょうか。もしかしたら、空虚かもしれない。内面は充実しているでしょうか。虚勢を張っていませんか。
賁は文飾=飾るという意味です。飾るのはいいけれど、度が過ぎるといけません。自分をよくみせようと、SNSで「自分盛り」したしたりしていませんか。自分をよく見せようとするのもいいですが、それが度を超すと、中身とのギャップが出てきます。
この卦の裏卦(陰陽の符号を全部ひっくり返して出来た卦)は、沢水困(たくすいこん)です。見た目の派手さの裏には、何らか困難があることが垣間見えます。
ですから、この卦が出たら、見栄を張らずに内容の充実をはかることが大事です。外見よりも中身を磨いていきましょう。
山火賁は山の中に火があるということで、これをマグマと見ることもできますね。でも、まだ噴火しそうにはありません。噴火するほどの強いエネルギーが溜まっていない状態です。
<この卦が出たら・・・>
【全体運】:内側の力が弱い。小事に関しては行ってよいとき。
【願い事】:かないます。
【仕事・人間関係】:気候の変動・世の中の情勢をよく見極め、行動すればうまくゆくでしょう。ただ、あまり大きな成功は望むときではありません。自らを飾り立てずにできる範囲のことを行いましょう。
【戒め】:見栄をはるなということです。見た目の美しさと中身のつり合いがとれていればOK。飾り立てるばかりで、内実が伴っていなければだめです。自分盛りしても、実力はバレバレ。
【金運】:見かけはリッチ。はたから見れば金回りはよさそう。でも、実は内情は火の車ということも。いまは見栄を張らずに、堅実な生活を心がけるときです。
【恋愛】:相手の外見に引き寄せられます。でも、外見だけかも。ルックスやスペックにとらわれていては、いい出会いはありません。相手がどんな人かよく観察してください。
表面的なものにとらわれず、相手の性格や人柄にも目を向けてください。あなた自身も外側を飾り立てるだけではなく、コミュニケーション能力や性格の長所を伸ばすよう、内面的な魅力に磨きをかけてください。
【相性】:恋人同士は、お互いに相手にいい顔を向けています。相手の前ではだいぶカッコウをつけているのでしょう。表面的なつき合いに終わらないためには、カップルはもっと素の部分で関わりあい、お互いに理解を深めていくことが必要です。
「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。
筆者は日本易道学校にて周易を学びました。