2020年6月16日(火)
山地剥
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23:山地剥(さんちはく)


 山崩れ
 剥がれる
 明るみに出る。
 
   山地剥

 剥(はく)は、往くところあるに利(よ)ろしからず。(『易経』経文より)

  山が崩れ斜面が剥き出しになって地上に滑り落ちています。
 すべては明るみに出るでしょう。
  陰の気が勢いを増してきているときです。
  今は動かず静観した方がいいでしょう。
    
<解説>

 剥(はく)は「剥がれ落ちる」「剥ぎ取る」という意味です。外卦が山(艮)で内卦が地(坤)。高い山が崩れて、土がむき出しになった状態をイメージしてみてください。

 せっかく積み上げてきたものが足元から崩れ落ちてしまうようなときです。あなたが秘密にしていたことが明るみに出るのかもしれません。

 隠されていたことは何もかもが明らかになります。善きにつけ、悪しきにつけ、いまはじっとしていましょう。そこにとどまり、地固めをしましょう。

 もしかしたら、あなたがやっていることは、一からやり直しの状態になるかもしれませんが、焦って行動はしないでください。今は動かないほうがいいのです。

 この卦は一番上が陽で他はすべて陰の符号でできています。陰の気が次第に勢力を増してきて、いちばん上の陽の気を駆逐しそうな勢いです。これは人事で言えば、陰=小者が幅を利かせている時です。

 悪天候の時は、山崩れ、地滑りに注意してください。


<この卦が出たら・・・>

【全体運】:運気は低迷期。地が堅固なら持ちこたえる。運気にあらがわず、しっかり地に足をつけてこの時期を乗り越えれば、やがて運気は上昇運に転じるでしょう。 

【仕事・人間関係】:事業は経営悪化。会社や職場でのあなたの地位は危ういときです。世の中は小者がのさばっています。あなたがしっかりしていれば、あなたの地位が揺らぐことはありません。やがて、小者は勢いをなくすでしょう。

【戒め】:高い目標に気を取られていないで、足元に目を向けてください。基本がおろそかになっていませんか。じたばたせずに、しっかり地固めをしましょう。

【金運】:預貯金を取り崩すことになるかもしれません。しかし、全部は使い切らないように。取り崩した分は、頑張って少しずつでもいいので貯蓄をして回復を。

【恋愛】:進展はありません。うまく意思疎通が図れないとしたら、相手が何か秘密を持っているのかもしれません。でも、いずれはすべてが明らかになるでしょう。堂々とつきあえる関係ならだいじょうぶ。

【相性】:なかなか進展しない関係です。愛情が薄れたのでしょうか。どちらも消極的になっています。今は焦らずにじっとしていたほうがいいでしょう。不倫関係は秘密にしていても、やがて周囲にばれてしまいます。この先、期待しても、ふたりの関係は進展しません。あなたからは動かず、何もしないほうがいいでしょう。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

 筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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