2020年7月6日(月)
坎為水
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29.坎為水(かんいすい)


周易64卦を順番に紹介しています。

    坎為水

重なる険難
陥る・落ち込む
アップアップの状態

習坎(しゅうかん)=坎為水は、孚(まこと)あり。これ心亨(とお)る。行けば尚(たっと)ばるることあり。(『易経』経文より)

しきりに水が流れています。
その流れの中に陥り、水浸しでアップアップの状態です。
いまはただ流れに身をまかせるしかない状態ですが
うまくバランスをとりつつ、信念をもって積極的に事に当たれば
困難を乗り越えてゆけるときです。

<解説>

外卦も内卦も水(坎)です。この卦は、重なり合った険難を意味しています。

まさに水浸しで、溺れそうになってアップアップしている状態。苦労や困難が絶えないときです。

しかし、水は流れ流れて、片時も滞ることがありません。急な渓谷も、ごつごつした岩の間を縫って流れ、断崖からはダイナミックに滝となって降り注ぎ、深みを増しつつ流れ、やがて支流が合わさって大きな流れを作ります。

水は器に合わせて姿を変え、いかようにもその流れを変えていけるものです。いまは運気低迷のときですが、その水のように流れを絶やさず行動し、進んでいけば、あなたの能力を生かせるときがやってきます。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】:運気低迷の時期。

【願い事】:あなたのなかの変わらない思い、持ち続けている願いは、困難を乗り超えてかないます。
 
【仕事・人間関係】:誠心誠意事に当たり、積極的に進めていけば成功します。次から次へと問題が起きても、それは試練と受け止め乗り越えてゆきましょう。

【戒め】:へこたれそうになっても、信念を持ち続けてください。川の流れに浮かび流されるように、バランスをとっていけば、険難は乗り越えられます。心してかかりましょう。

【金運】:お金が貯まりません。収支のバランスを考えて、なるべく無駄な出費を抑えて、この時期を乗り越えましょう。

【恋愛】:気持ちが盛り上がりません。どちらも燃えない。冷めています。脈はなさそう。

【相性】:カップルは気持ちが冷めているようです。相手に求めても、求める愛は得られません。お互いに思いやりを必要としているときです。関係をよくしていきたいなら、尽されることを望むより、あなたの方から尽くしましょう。優しく思いやりのある言葉をかけ、朗らかに過ごしましょう。


本日も水に関する卦です。『易経』では水に関連のある卦のなかに困難な状況を表わすものが目立ちます。四大難卦といわれている卦があり、すべて水が絡んでいます。

<四大難卦>
・水雷屯(すいらいちゅん)=春まだ浅く植物は芽をだせない。これは生みの苦しみの時期を表します。
・沢水困(たくすいこん)=これは水に関係していますが、沢に水がない状態。非常に消耗しています。
・水山蹇(すいざんけん)=雪山で足が凍って進もうにもその先へ進めないような状態。
・坎為水(かんいすい)=「坎」は陥るという意味。行く手に剣難、手前にも剣難。なんだか水浸しのような。

集中豪雨の被害が続いています。古代から人はこのような自然の猛威に直面してきたのですね。自然の法則を読み解く知恵も、自然の猛威との戦い・克服・共存の歴史の中で生まれてきたのでしょう。

災害の被害にあわれた地域の方々には心よりお見舞い申し上げます。そして、わたしたちもまた、いついかなる場所で災害にみまわれないとも限りません。できることは備えをしておきましょう。

>「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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