2020年7月8日(水)
離為火
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30:離為火(りいか)


周易64卦を順番に紹介しています。

   離為火

明々と燃える火。
美しく輝く。
  
離は、貞(ただ)しきに利(よ)ろし。亨(とお)る。牝牛(ひんぎゅう)をやしなえば吉なり。(『易経』経文より)

月日は天にあって明るく輝き
草木は地について育成されるように
人につき従順に付き従っていくのがよいときです。
  
<解説>
離(火)が二つ重なり、とても明るい状態です。太陽は天にあって輝いています。

あなたは自分の魅力や才能を発揮できるでしょう。

離には「付く」という意味があり、月日は天につき、百穀草木は地につくのが正しい道理、人は人に付き従うものと考えられています。

「牝牛(ひんぎゅう)をやしなえば吉なり」とは、おとなしい牝牛を飼うこと。すなわち、この卦が出たら、あなたは牝牛のように従順に人に従うのがよいときなのです。

離の人は魅力があって明るく聡明。しかし、いくらあなたが聡明で、実力があったとしても、自己主張が激しく、自分をひけらかすような態度に出れば、うまくいきません。

ここは、出しゃばらない、自分をひけらかさない。柔軟に人に合わせ、つき従う姿勢があれば、万事うまくいくでしょう。




<この卦が出たら・・・>

【全体運】:前途は明るく照らされています。輝かしい活躍が期待できます。

【願い事】:かないます。 

【仕事・人間関係】:人に付き従うことでうまくいきます。文化・文明に関する仕事・知識が役立ちます。芸能関係の仕事は吉。

【戒め】:内面に弱さを抱えています。自分の本当の気持ちに触れ、内面の充実をはかりましょう。

【金運】:外からは派手に見えますが、見かけほどの財産はありません。財布の紐は締めてかかるべき。堅実な生活をしましょう。

【恋愛】:一目ぼれ。燃え上がる恋、情熱的な恋をします。出会った瞬間に好きになるでしょう。熱しやすく冷めやすい恋の場合も。

【相性】:カップルは情熱的に愛し合えるとき。でも、まだ二人の関係は安定していません。自分の殻を破り、ホンネで関わり合いながら、気持ちの触れ合いを大事にしてください。


『易経』上巻は、29:坎為水(かんいすい)に続いて30:離為火(りいか)でしめくくります。水と火、月と太陽ですね。

易という字の由来については、いくつかの説があります。一つは日(太陽)が陽で、夜に輝く月の陰が組み合わせられたという説です。


もうひとつは、この字が蜥蜴(セキエキ)に由来するという説です。蜥蜴はトカゲを意味し、一日のうちに何度も体の色が変化する生物として知られていました。易は森羅万象の変化をとらえるものということから、蜥蜴説が出てきたようです。





「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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