2020年7月10日(金)
沢山咸
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31:沢山咸(たくざんかん)


周易64卦を順番に紹介しています。この沢山咸からが『易経』下巻になります。人の道が説かれます。

   沢山咸

 感応する。
 若い男女
 恋の予感

咸(かん)は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。女を取(めと)るは吉なり。(『易経』経文より)
 
若い男女が惹かれあうように
相感じるところがあります。
感じるままに受け止め、行動するときです。

<解説>

咸は「感じる」という意味です。外卦の沢(兌)は小女(年若い女)、内卦の艮(山)は小男(年若い男)を表します。つまり若い女と若い男が出会っているから恋が始まるわけです。

若い男女が出合って互いに惹かれあう、これは恋愛の卦です。

出会いの予感があります。出会いは異性との出会いだけに限りません。お互いに共感しあえる人との出会いがあるかもしれません。ときめくような体験や感動する出来事が待ち受けているのかもしれません。わくわく感を持ち続けましょう。

「女を取(めと)るは吉なり」とは、「妻をめとるに吉」ということで、婚活している人は出会った人との結婚話が進みそうです。結婚を決断する時期かもしれません。




<この卦が出たら・・・>

【全体】:感じるところがあれば、自然に道は開けてきます。

【願い事】:叶います。

【仕事・人間関係】:うまく運びます。気持ちが通じる相手を仕事のパートナーに選ぶとよいでしょう。

【戒め】:高い山が沢の下にあるように、自らを低くして高ぶらず、人を受け入れるよう努めましょう。

【お金】:欲を出せば、足りないと感じるでしょう。ほどほどのところで満足しましょう。

【恋愛】:新しい恋の予感がします。一目ぼれしそう。相愛の仲になります。

【相性】:カップルは恋の気分が高まります。結婚を決断してもいい時期です。

『易経』下巻は、男女が出会うところから始まります。出会いがあって、男女が結ばれ、家庭が築かれ、集落ができ、町ができ、国ができ、国家ができる。人の道にも法則があるようです。
ただ、家父長制に基づく易の考え方には、女性にとって極めて差別的と感じられるところがあり、こういう言葉は受け入れられないなあと言うところも多々あります。そういうところは読み替えていきます。

ちなみに、家父長制に基づく社会が誕生する以前は、どの地域でも母系制社会が基本にあったという説があります。

「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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