36：地火明夷（ちかめいい）

易経64卦を順番に紹介しています。

　　　地火明夷
　　
　地下に太陽
　暗い
　敗れ傷つく

明夷は艱（くる）しみて貞（てい）なるに利（よ）ろし。（『易経』経文より）

地下に隠れた太陽。辺りは暗い。
思うようにならない時です。

＜解説＞

日が地下に入り、いまは暗い。これは明るいものがやぶれ傷ついている状態です。

たとえば、能力・才能はあるのに用いられない、評価されない、職場では冷遇されるといった状態。そういう状態だと気分も落ち込みます。

あなたはいまそういう時期にさしかかっているのかもしれません。自分はもっと実力があるはず、認められてしかるべきと思っているのに、周りの人や世間は評価してくれない……。

でも、それでくさっていても仕方がありません。自分を信じ、物事をポジティブにとらえ、艱難を耐え忍びましょう。コツコツ努力を続けていれば、やがてあなたの才能を見出し、手を差し伸べてくれる人が現れるでしょう。

「明の地中に入るは明夷なり。明夷は艱（くる）しみて貞（てい）なるに利（よ）ろし。明の地中に入るは明夷なり。」

内文明にして（内卦は明るい・離）、外従順（外卦は受け身・坤）、もって大難をこうむる。」

『易経』では、周の文王が殷紂王によってとらえられ、艱難をしのいだ逸話が記されています。




＜この卦が出たら・・・＞

【全体運】：衰退運。地下に潜んでいるような状態で、明るいところに出られません。

【願い事】：苦しみに耐えればかないます。　

【仕事・人間関係】：何事も思うようにはいきません。あなたに実力はあっても、頭から押さえつけられているような状態です。どうにもなりません。いまは自分の本心や才能を包み隠すとき。潜伏期です。苦しみに耐えましょう。あなたの志が正しければ、やがて手を差し伸べてくれる人が現れるでしょう。やがて日の目を見ることになるでしょう。

【戒め】：「艱難汝を玉にす」で苦難を乗り越えてこそ成長します。表に出ようとせず、しばらく身を隠していましょう。苦しいときも、心の明るさまでは失わないように。気持ちを明るく保ってください。

【金運】：難儀します。お金の苦労があります。

【恋愛】：あなたの魅力が伝わりません。恋に傷つくことがあるでしょう。でも、それは次のもっといい恋へのステップになるはず。女性はストーカー的な男、ＤＶ男に気を付けて。

【相性】：カップルはお互いに傷つけあうことがありそう。傷つけ合えば、関係は解消してしまうでしょう。うまくいきません。しばらく距離と時間をおきましょう。




光がささない暗い時期には、ひたすら耐え忍び、内面の明るさ（知性と希望）を失わないようにしたいもの。

「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。