2020年8月7日(金)
風雷益
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42:風雷益(ふうらいえき)


易経64卦を順番に紹介しています。

   風雷益

益は、往くところあるに利(よ)ろし。大川を渉るに利ろし。(『易経』経文より)

風と雷
日ごとに限りなく前進する
風神と雷神が助け合い
大きな利益を生む

<解説>
その利益は上から下へと及びます。外卦の「巽(=風)は一番下が陰の符号です。
益は上を損して下を益す。外卦(上の卦)が自分を減らし、下の雷がそれを受ける形で、下が益することになります。

これはまさに、国を統べるものの利益が、その国の民にあまねく及ぶようなもの。自分だけが潤うことを考えるのではなく、皆が潤うようなやり方です。

ゆえに、大きな利益が得られるときです。

自分の利益はみんなの利益、みんなの利益になることは自分の利益にもなること。そのように考えて行動したいものです。そうすれば、木動(ぼくどう)=船をしたてて川を渉る、で、
船(木の船=外卦の巽・風)を仕立てて、どんどん進んでいく(内卦の震・雷)ように、日ごとに限りなく前進していけるでしょう。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】:その道は大いに光明があります。上から下へとあまねく利益が行き渡ります。大きな川を渡るように大事を決行してよいときです。

【願い事】:かないます。大事を決行してよいとときです。積極的に行動しましょう。

【仕事・人間関係】:これはまさに、国を治め、民を統べる者の姿勢を表します。権力者が利益をほしいままにするのではなく、その国の人々のために施すことによって、すべての人々が潤い、喜びが得られるのが理想です。

個人の場合、大きな利益が得られるときです。有益な仕事ができます。自分だけが潤うことを考えるのではなく、皆が潤うようなやり方をしましょう。

企業なら、消費者に、経営者なら、従業員に利益を還元すべきです。自分の利益はみんなの利益、みんなの利益になることは自分の利益にもなるということです。そのように考えて行動すれば、舟で川を渉っていくように、物事はどんどん進み、日ごとに限りなく前進してゆけるでしょう。

【戒め】:ただ利益だけを求めると、かえって収益が減ることになります。好調な時ほど、謙虚に。その恩恵を周りに施しましょう。

【お金】:利益が出ます。儲かります。しかし、欲を出してはいけません。

【恋愛】:よいご縁があるでしょう。玉の輿(逆玉の輿)に乗れるでしょう。

【相性】:カップルは付き合ってお互いに益するところがあります。愛が報われるでしょう。お互いにしっかりと気持ちを受け止め、相手のためを思っていい関係を築いてゆきましょう。




政治家が自らの利益だけを追い求めると、また自らに益する人々のためだけにますます利益を追い求めると、国民は疲弊し、国は衰退していくのでしょう。賢者の戒めに耳を貸す、真の治世者が現れ、混乱した国々を治められますように!

「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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