2020年9月5日(土)
沢火革
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49:沢火革(たっかかく)


易経64卦を順番に紹介しています。

   沢火革

変革・改革
脱皮

革は、已日(いじつ)にしてすなわち孚(まこと)とせらる。元(おお)いに亨りて貞しきに利ろし。悔亡ぶ。(『易経』経文より)

沢の水と火がともにあり、
火が沢の水を乾かすか、沢の水が火を消してしまうか、
水火相争う状態です。
いままさに変革の時です。
 
<解説>
外卦の沢の水と、内卦の火がともにあり、火が沢の水を乾かすか、沢の水が火を消してしまうか、水火相争う状態です。お互いに気持ちのそりが合わない状態になっています。

外卦の沢(兌)は少女で、内卦の火(離)は中女を表し、昔風に言えばこれは嫁姑の関係のようなもの。女性同士はうまくいきません、というわけです。
「革は水火相い息(そく)し、二女同居して、その志相い得ざるを革という」というわけです。
しかし、これは何も嫁姑の関係に限らないでしょう。互いにそりが合わない同士がともにいることはあるものです。

「已日(いじつ)にしてすなわち孚(まこと)とせらる。」の已日とは、すでに革めるべき時に至っているという意味です。改めるべき時に、改めることでバランスが取れるというわけです。

それゆえ、いまが変革のときとなります。
事を革(あらた)めるべき時期に来ています。これまでのやり方を革め、思い切った改革を行いましょう。後悔することにはなりません。革は革新、革命の革なのです。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】変革のとき。

【願い事】おおいに叶います。

【仕事・人間関係】これまでのやり方を革め、思い切った改革を行いましょう。上からの命令で変化するのではなく、下からの力で上層部のたるんだ状態を正していきます。
改めるべき時に改めれば、悔いは残りません。
家庭では嫁姑が同居して反目し合うような状態。生き方が違えば、女同士はうまくいきません。

※「已日(いじつ)にしてすなわち孚(まこと)とせらる」とはすでに改めるべき時に革めれば、人々もこれに信頼を置くということです。

【戒め】革めるべきときにあらためず、現状維持にとどまれば運気は下がります。

【金運】お金の使い方、貯蓄・投資のすべてを見直しましょう。これまで通りのやり方では、金銭運はUPしません。

【恋愛・出会い】これまでの生活パターンを変える、交友関係や出入りする場所を変えるなど、新しいことを始めてみれば、出会いのチャンスがあるでしょう。

【カップル・相性】いまのままでは何かが物足りないのでは?二人の関係に変化を起こしましょう。いまのままでいいと思っていたカップルも、これまでの付き合い方で改めるべき点があるはずです。



革はすでにあるものを革(あらた)めるのですね。そういう場合には、これまでのやり方に対する批判的な見方や反省から始まるのではないでしょうか? 「改革」はですから、まったく新しいものを作り出すのとは違って、従来のやり方を改善していく方向にあるのだと思います。

これに対して、「革新」となれば、まったく新しいやり方になるのではないでしょうか。改革者は、あるものを改良していく。が、革新者は「イノベーター」であって、ときにこれまで誰も考えつかなかった着想を得て、新しいものを作り出すとか、時代の先端をさらに通り越した先見性のある人ということになりますね。

筆者はどちらかというと、「改革者」よりも「革新者」に魅力を感じます。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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