2020年9月16日(水)
震為雷
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51:震為雷(しんいらい)


易経64卦を順番に紹介しています。

   震為雷
  雷動・振動
  変化の兆し
  刺激・興奮

震は、亨(とお)る。震の来(きた)るとき??たり。笑言(しょうげん)唖唖(あくあく)たり。震は百里を驚かせども、ㇶちょうを喪わず。(『易経』経文より)


雷鳴が轟くように、大きな動きがあります。

<解説>
内卦も外卦も雷=震ですね。私たちは雷を稲光が天から下に落ちてくるものと見るのですが、易の世界では震の
エネルギーは下から上に向かうイメージですね。とても勢いがあります。

経文の意味するところは「人は雷鳴がとどろくと恐れおののくが、終わればほっとして笑いつつものを言うものだ。百里四方に雷が轟き渡って人を驚かせても、心を込めて祭祀を執り行い、そのときにあわてふためいて祭儀に用いる鼎(三本足の立派な大鍋)の実をすくう匙(さじ)=ㇶちょうを落としたりしないほどの、冷静沈着な人であるならば、祭儀を執り行うにふさわしい人物だ」ということになります。

君子のあり方を示しているわけですね。

では、わたしたちはどうすればよいのでしょうか?

雷鳴は何かの予兆です。あなたの周りで何か激震が走るような出来事があるかもしれません。そのようなときにも理性を失わず、パニックに陥らず、冷静に落ち着いて行動しましょう。

そして、その後にきちんとルールにのっとった行動ができれば、あなたの望むふさわしいポジションにつけるでしょう。何かトラブルや問題が生じたときにも、慌てふためかず、冷静に対応し、一定の枠組みのなかで問題解決をはかってゆきましょう。それがひいては福を招くことになるでしょう。ということですね。

恐れおののくことによって福を招くのです。雷が鳴るのは雪解けの季節。それは春雷です。大地が震え、大きな動きがあるときです。

また、雷は音はあるけれども姿が見えないというところから、噂を意味しているときもあります。噂や評判というものがあなたの進退にも影響するかもしれません。




<この卦が出たら・・・>

【全体運】:大きな動きがあります。
雷鳴がとどろき、驚くようなことがあるが、慌てふためかず冷静に対処すれば、最後は笑うことになり福が得られるでしょう。

【願い事】:叶います。 

【仕事・人間関係】:何があっても冷静沈着に行動すればうまくいきますくでしょう。出世します。

【戒め】:驚いて慌てふためきパニックに陥るようではだめです。必ず何かの予兆があるので、どう対処すべきか理性的に考え、物事を分析総合し、次の行動につなげていきたいもの。

【金運】:思いもよらぬ収入があるかもしれません。株価急上昇。

【恋愛】:お互いに激しく燃え上がる恋。欠点みえないようです。冷めないうちが花。

【相性】:カップルはなお激しく求めあうでしょう。でも、お互い興奮しすぎ。気持ちが本当に向き合っているかどうかわからない時期です。

内卦と外卦が八卦の同じ卦が重なったものは、基本的に八卦の象意と同じ意味になります。

「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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