2020年9月18日(金)
艮為山
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52:艮為山(ごんいざん)


易経64卦を順番に紹介しています。

   艮為山
  不動の山
  動かない・止まる
  静止

その背に艮(とど)まりてその身を獲ず。その庭に行きてその人を見ず。咎なし。(『易経』経文より)

深山幽谷のごとく動かず
静けさのうちにとどまっています。 

<解説>

内卦も外卦も山=艮です。山は動かず静止しています。
人の身体に例えれば、もっとも動かないところは背中ということになります。

「その背にとどまる」というのは、止まるべきところに止まって動かないということです。

ですので、あなたが望んでいることが、わが身の欲望を満たすようなことであるのなら、その欲望を遂げることはできないでしょう。

静止し安定した山のように、心を落ち着かせ、自分の身の丈に余る欲心を抱かないようにしましょう。そうすれば、人のいる庭に行っても、人の姿が目に入らず、外のものに心が惑わされ、誘惑に陥ることもなく、あなたがとがめだてされることもありません。

動かず、惑わされず、落ち着いているのがいい状態のときです。欲に駆られた行動はダメだよという意味になります。

※「その庭に行きてその人を見ず」は、人の姿が目に入らず、外のものに心惑わされず、誘惑に陥ることもないという意味です。



<この卦が出たら・・・>

【全体運】:運気は停滞ぎみ。安定ともいえるし、動きがないともいえます。

【願い事】:残念ですが、叶いません。

【仕事・人間関係】:やみくもに動かず、自分のいるべき場所にとどまり、いまの地位に甘んじているのがよいでしょう。平常心を保ちましょう。落ち着いて、波風立てず、心が安定しているのがいちばんです

【戒め】:人は人、自分は自分。変化に対応することが必要な時期になるまで、動かずにいましょう。焦って行動してはなりません。

【お金】:安定しています。しかし、欲心を起こしても、思うような収入は得られません。

【恋愛】:なかなか積極的になれません。運命の人に出会うには、まだしばらくかかりそうです。

【相性】:カップルはどっちも頑固。関係を改善したいなら、相手を変えようとするのではなく、あなたの方から歩み寄りを。




動かないでいるというのは、簡単なようで難しいことかもしれません。コロナ感染拡大の時期から、多くの人がこれからどうすればいいのかと迷い、考え、このブログを見てくださっている方のなかには、ネット上で動画を作ってみたり、オンラインセミナーをしかけてみたり、試行錯誤されている方もいらっしゃることでしょう。

筆者もそうですが、そういうときに、迷わず、静かに動かずにいるというのはなかなか難しいものです。一見、山が重なっている、動かない状態という、その意味は簡単に理解できそうですが、実践するのはそう簡単ではないかもしれませんね。

どんな時期でも、易経の戒めを守れるには、やはり「君子」であらねばならないのでしょう。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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