2020年9月19日(土)
風山漸
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53:風山漸(ふうざんぜん)


易経64卦を順番に紹介しています。
   山の上に木
   徐々に伸びる
   成長・発展

漸は、女の帰(とつ)ぐに吉なり。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。(『易経』経文より)


山に木を植えて伸びるのを待つ、
時間をかけて成長します。
   
<解説>

外卦が風=巽、内卦が山=艮です。山の上に生えた樹木が次第に大きく成長し、枝葉を広げていく様をイメージしてみてください。

そのように物事が漸進していく状態です。「進んで位を得、往きて功あるなり。」と断じられているので、進んで事を行うことで、成功しますね。「貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」はその際のモラルの要請ですから、正しいやり方でやるということが必要です。

「女のとつぐに吉なり」というのは、物事が正しい順序で進んで行っていることを表すたとえ。結婚の時期を考えている女子なら、そのものずばり、適齢期と受け止めてもよいでしょう。

物事が漸進していくときですから、積極的に行動してOK。うまくゆくでしょう。というふうに読めます。

<この卦が出たら・・・>

【全体運】:吉。上昇運です。木が伸びていくように、漸進していく。

【願い事】:叶います。

【仕事・人間関係】:物事が漸進していくときですから、積極的に、進んで事を行えば成功します。

【戒め】:ルールに従って、正しい順序で物事を行えば吉です。

【金運】:元手が増えます。堅実なやり方で元手を増やす方法を試みましょう。

【恋愛・出会い】:女子は結婚適齢期。結婚相手になる人との出会いがあります。

【カップル・相性】:きずなを深めていけるでしょう。結婚を考えているなら今です。この卦は夫婦愛を表しています。時間をかけて徐々に愛が深まっていきます。





易の世界観は東洋的自然観・宇宙観に基づいていますが、人のあり方、社会の在り方というのは、家父長的な価値観が下敷きになっています。

元祖、「女は太陽だった」みたいな世界観じゃないわけですよ。そこで、この卦を振り返ってみると、外卦の風=巽は、長女を表し、長女が嫁ぐ場合を言っていますよ。女が嫁ぐ、長女が嫁ぐのは吉なのです。風山漸という進み方は、そういう進み方を表わしている。内卦の山=艮は少男で一番年下の男を表わすわけだけど、それはよしとするわけね。

筆者はこの家父長的世界観に基づく男女間は好きではないです。女性のために易占をやるときには、この価値観では時代遅れだとも思っています。

この次に来る卦は雷沢帰妹(らいたくきまい)で、これは妹が先に嫁ぐという意味になり、それは「凶」とされています。この卦も読み替えていきたいですね。



「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。

筆者は日本易道学校にて周易を学びました。
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