15:地山謙(ちざんけん)
周易64卦を順番に紹介しています。
地山謙
山の高きをもって
地にへりくだる。
謙遜・謙虚
謙(けん)は、亨(とお)る。君子に終わりあり。(『易経』経文より)
高い山が地の下にあるがごとく
自らを低くするその態度の中にこそ輝く謙遜の美徳。
女性を惹きつけるる魅力のあるモテ男。
<解説>
この卦は外卦が地(坤)で内卦が山(艮)。地の下に山があります。本来、山は地の上にあるべきなのに下にあるという、この姿は非常に謙遜であることを示しているのです。そこで、地山謙となるわけです。
謙は本来中身はあっても、それをぎゅっと束ねたように中身を少なく見せている。実力があっても、高ぶらない人、またそのような態度。「君子に終わりあり」とは、これが人間的によくできた人の態度だということです。
また、この卦は一陽が五陰に囲まれています。それは一人の男性が五人の女性に囲まれている様子を表しています。人体の部位でいえば、ちょうど腰(股)のところに陽の符号があり、そこに残りの5つの陰が引き付けられるということで、一人の男性(=陽)が、たくさんの女性(=陰)をセクシャルな関係を含めて相手にしていることを意味しています。
女性にモテる男性かもしれませんが、卦全体の意味から、これはマッチョなタイプの男子ではなく、むしろ女性にやさしく、一見遊び人には見えない男子なのかもしれません。
※天沢履(てんたくり)と比べてみよう。天沢履は女子裸身の卦
<この卦が出たら・・・>
【全体運】:高い山が地の下にあるように、実力があっても謙虚な態度で臨めば何事もうまくいきます。
【願い事】:かないます。
【仕事・人間関係】:最後までことを成し遂げることができます。実力はあっても、思うように発揮できない時期です。いまは人の上に立とうとするのではなく、控えめにしているのがよいでしょう。謙虚な姿勢を見せることで、人から信頼を得、評価されるでしょう。物事はうまくいきます。たとえ、あなたが実際に人の上に立つ立場にあったとしても、偉そうな態度を取らず、高ぶらず、謙遜な態度で人に接することでこそ、人望が得られるでしょう。
【戒め】:目立とうとして自分をひけらかしたり、認めてもらいたいために自慢話をするのは逆効果。逆に、自分では謙虚な態度でいるつもりでも、他人にはただ消極的な人としか見えないことも。前向きな姿勢を示しましょう。
【金運】:欲張らず、足るを知ること。身の丈に合った暮らしをしましょう。そうすれば、お金の面で困ることはありません。
【恋愛】:男子はいまがモテ期です。女性から注目を浴びるでしょう。ただ、欲望を満たすためのセクシャルな関係だけを求めては、レベルの低い関係になりかねません。あなたが女性なら、やさしい人に惹かれます。でも、その男性にはほかにも女性の影がありそうです。
【相性】:カップルは穏やかな関係。お互いに分かったつもりにならず、言葉でのコミュニケーションを絶やさないようにしましょう。しかし、ちょっとした浮気心が、関係悪化につながり、カップルの関係は解消ということになりかねません。
地山謙のやさしくてモテる男子と言えば、筆者はNHKの連続土曜ドラマでやっていた『いいね!光源氏くん』の光くんを演じた千葉雄大さん、みたいな男子をイメージしました。
『いいね!光源氏君」は原作コミックがあるようです。
ドラマが面白かったので、原作も読んでみたいと思います。
コミカルで、ちょっぴり切なくて、ハッピーな内容です。
※なお「この卦が出たら……」以下は筆者の解釈です。いろんな解釈の仕方があると思いますので、ご参考まで。