どうしてあの人たちは「つながり」たいのか?
本能タイプでわかる!上手な人とのつきあい方-1
以前電子書籍として出版した内容をアーカイブとしてこちらに掲載します。
あらかじめ、全体の内容が見渡せるよう元の電子書籍の目次をあげておきます。ここに掲載した内容の順番は、かならずしも、以下の通りではありません。
また、本サイトへの登録時に、元の書籍にあった言い回しや内容を若干変更した部分があります。
【目次】
はじめに
第1章:あなたを支える3つの本能
・あなたは身体感覚とつながっていますか?
・心を支えているのは本能の3本柱
・ あなたがつながれる友人・知人の数は?
第2章:友達の数は本能タイプで決まる!?
・自己診断チェックリスト
・本能タイプ別 ライフスタイルと人づきあいの特徴
・ソーシャルタイプに友達の数が多い理由
・本能タイプから見たカップルの相性
第3章:本能タイプから見たあなたの強みとブラインドスポット
・本能タイプから見たあなたの強み
・ブラインドスポット 本能タイプと苦手意識
・ブラインドスポット 苦手意識克服方法
第4章:SNSと心の葛藤
・妬みーあの人の幸せ(成功)が自分に欠けているのを思い出させる
・呼吸をしよう リアルな現実とのつながりを取り戻す
・思考能力を使おう あなたは自分で思っているよりずっと賢い
・自分盛り 自分の価値を認めてほしい人々との関わり
・自己表現とコミュニケーションの道具としてSNSをうまく使いこなそう
あとがき/参考文献/著者紹介
はじめに
私達は本能に突き動かされています。本能的な欲求を満たすために、日々、何らかの行動に駆り立てられています。
たとえば、食べる、眠るといったことから、性的なパートナーを求める、安全な居場所を求めるといった欲求など。日常の行動の背景には、無意識のうちに本能の衝動に突き動かされている部分があります。
本能はヒトにも動物にも共通する生得的な能力です。生得的というのは、生まれつき備わっているという意味です。
人間の場合、本能的な欲求は、通常、あからさまには表現されません。それは日常生活のなかで、当たり前のこととして繰り返される習慣的な行為の下に覆い隠されてしまっています。
表面的には洗練された態度や振る舞いであっても、その根底には本能的な欲求を満たそうとする衝動が潜んでいると考えられます。
本能は、私達の感情や思考にも影響を及ぼしています。私たちが生活の中で優先するもの、見過ごしてしまいがちなもの、得意・不得意にも本能的なものがからんでいます。それは私たちの日常生活のパターンに組み込まれています。本能は私たちの心の習慣を作り出しているものなのです。
しかし、そんなふうに言われても、ピンとこないかもしれませんね。そこで、第2章に、あなたがどのような本能に駆り立てられているかを、自己診断できるチェックリストを用意してあります。
自己診断の結果からは、あなたがこれまで漠然とは感じていたかもしれないけれど、はっきりと意識には上ってきていなかった心の習慣に気付かされるでしょう。
第1章:あなたを支える3つの本能
あなたは身体感覚とつながっていますか?
知・情・意という言葉があります。
知は頭の知性、情は感情の知性、意は意志で、意志力は決断力・行動力と結びついています。これは身体的な知性であり、本能的な直感に裏打ちされています。
昔から、知・情・意のバランスが大事だと言われてきました。これら3つの機能がバランスよく働いていれば、精神的にバランスのとれた人間になると考えられてきました。
【知・情・意の働き】
知=頭の知性:頭脳、理性、論理的志向、閃き、アイデア、総合力、分析力、抽象概念
情=感情の知性:ハート、情緒、フィーリング、共感能力、コミュニケーション能力
意=身体の知性:腹(腸/ガッツ)、意志力、決断力、行動力、実行力、本能的直感
ところが、現代に生きる私達は日常、あまり身体的な知性を使わない生活に慣れてきています。
きわめて高度な情報化社会となった現代では、1日中パソコンに向かうような仕事が増え、プライベートでも、スマートフォンやタブレット端末に触れている時間が多くなりました。
人とのコミュニケーションも、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)を介して行われるのが、普通になってきています。それはまさに、本能から切り離されたような生活です。
歩きスマホの問題を例にとるとわかりやすいと思います。町でスマートフォンや携帯を操作しながら歩いている人を見かけますね。自分も歩きスマホの経験があるという人は多いはず。
歩きながらSNSでメッセージのやり取りをしたり、あれこれとつぶやいてみたり、待ち合わせ場所に行く時にGPS機能を使用したり…。
道路や階段、駅のホーム、ときに自転車に乗りながら操作している人すら見かけます。歩きスマホはとても危険な行為です。
東京消防庁のHP「歩きスマホ等に係る事故に注意!!」によると、平成25年から平成29年までの過去5年間で“歩きながら”“自転車に乗りながら”などの歩きスマホ等に係る事故で、199人が救急搬送されているということです。年齢的には20台よりも、30代、40代が多いようです。
操作しながら、画面を見ながらの事故が多く、人とぶつかる、電信柱や路上の障害物にぶつかる、エスカレーターや階段から落ちる、駅のホームから転落するなど。本人がけがをするだけではなく、他人にけがをさせてしまう場合もあります。
普通に歩いていたら、およそ起きないような事故が、なぜ起きてしまうのでしょうか。
それは歩きスマホのときには、心とからだが切り離されたような状態で、意識がいまここにいないからでしょう。心がからだ感覚とつながっていないので、身体的な直感をキャッチできていないのだと思われます。
歩きスマホをしている人を見ると、歩き方もふらふらして、まっすぐに歩けていないのがわかります。それはまるで幽霊のようです。幽霊には足がないように、地に足がついていないのです。
意識が自分の身体と結びついていれば、足元をふらつかせながら歩くようなことにはなりません。もし、つまずいたとしても、今ここに意識があれば、身体をたて直すことが出来ます。身体には危険を避けるという本能が宿っているからです。
意識が身体から離れてしまうと、目の前の危険に対処することができません。本能的に危険を察知し、とっさに身をかわすことができなくなります。本来、危険を察知することができるはずの身体が、そのように働いていないのです。
年齢的に、30代、40代が多いというのは、20代のころよりも機敏さが失われてきたからなのか、仕事で忙しい年代になってきたということもあるのかもしれませんね。
身体感覚は磨けば磨くほど、本能的直感は研ぎ澄まされます。身体の動きは機敏になるし、背後から何かが近づいてくれば、気配でわかるようになります。歩きスマホの習慣は、こういった身体的な知性を鈍らせるものになっているわけです。
丹田(お臍の下あたりの腹の気が集まるところ)の力を鍛える武道系のエクササイズや呼吸法を大事にするヨガなどは、精神統一とともに身体感覚を整え、心と身体のつながりを取り戻すために大いに役立ちます。
体操や筋トレなどもコンスタントに行えば、健康につながるだけではなく、本能的な直感を研ぎ澄ませ、身体的知性を高めることができるでしょう。
心を支えているのは本能の3本柱
人は3階建ての家に例えられます。ちょっとイメージしてみてください。この家は、1階部分が本能の部屋、2階部分が感情の部屋、3階部分が思考の部屋です。1階から3階までの風通しがよく、必要な時にスムーズに行ったり来たりできるのが、機能的で住み心地のいい良い家です。
ところが、家によっては、各階へとうまく行き来できない場合があります。
身体感覚から意識が切り離されているというのは、まさに1階の本能と2階・3階の感情・思考につながる通路がうまくつながっていないという状態です。
たとえば、1階から2階に通じる階段にものが積まれていて通れないとか、2階と3階の間の階段が壊れていて上り下りできないとか……。
家はどの階に歪みや傷みが生じても、それはその階だけの問題ではなく、家全体の歪みや傷みにつながっていきます。とくに1階が不安定だと、2階や3階もグラグラして安定しません。1階が崩れたら、2階や3階も崩れてしまいます。
また、天上から雨漏りがしたり、部屋の壁が崩れると1階の床までがたがたになるように、心に問題が生じると、身体にもその影響が及ぶでしょう。だからこそ、昔から、知・情・意のバランスが大事といわれてきたわけです。
さて、1階の本能の部屋を眺めてみましょう。この部屋は土台からしっかりと据えられた3本の柱で支えられています。その3本の柱が、本能の3つの側面を表すものです。
その3つの側面とは、自己保存本能、性的本能、社会的本能の3つです。
⇒本能でわかる上手な人との付き合い方-2
⇒本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー1
本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー2
本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー3
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