どうしてあの人たちはつながりたいのか?
本能タイプでわかる!上手な人との付き合い方-12
思考能力を使おう 知恵はすでにそこにある
頭の中の思考は、本来、妄想を広げるためではなく、もっと有意義なことに使えるものです。
3階の部屋の中に広がっているのは広大な論理空間です。
そこはさまざまな可能性に開かれており、あなたが得た情報をストックするだけではなく、情報を吟味し、取捨選択し、つなぎ合わせ、知識の体系に変えていくことができます。頭の中が鎮まっていれば、自分自身や周りの世界を観察する観察眼も開けてきます。
ところが、ふだん私達の頭の中にあるのは、ほとんどが雑念です。よく「考え事をしていた」なんて言いますが、その時考えていたことはどんなことでしょうか。どうでもいいようなことが多いのでは? そうでなければ、不安や心配事かもしれません。
不安や怖れというものは、頭の中で生じます。
物事を悪いほうへ、悪いほうへ考える人がいますが、それは頭の中の思考が、一定の思考パターンにはまりこんで、ぐるぐる廻っているのです。
ポジティブシンキングもまた、不安や怖れの裏返しである場合が多いものです。不安や怖れを感じたくないために、未来の明るい可能性に賭け、物事をいいほうへいいほうへと考えるのです。しかしもし、こういったポジティブシンキングが、現実認識を欠いていれば、問題に対処すべき時を逸して、かえって問題を大きくすることもありうるのです。
頭の中の思考の働きを活性化させるためには、2階の感情を安定させることも必要ですが、1階の本能の部屋とのつながりをよくしておかなければなりません。
雑念を鎮めるには瞑想が効果的だといわれます。瞑想と呼吸は本来、切り離せないものですが、瞑想しなければと構える前に、意識して取り組んでほしいのは“呼吸”です。まず、呼吸に意識を向ける。
静かにゆっくりと呼吸をし、鼻で吸ったり吐いたりするのがいいでしょう。それを繰り返します。このとき、左右どちらかの鼻が詰まっていることに気付く人もいるはずです。
実は、SNS時代の私たちは、日々の呼吸が浅くなってしまっていることがあるのです。ストレスがかかっているとき、緊張しているときなども、呼吸は浅くなっています。息を詰めているだけではなく、実際少しの間、息をしていないことすらあります。
深い呼吸をし、「吸って吐く」を安定させれば、心も身体も落ち着きを取り戻し、リラックスした状態に持っていけます。
自分を落ち着かせるのは腹式呼吸です。鼻から吸った空気は肺に取り込まれますが、このとき横隔膜が下がっていきます。そこで、お腹が膨らんでいく意識を持ちます。息を吐くときは、横隔膜が上がっていきます。そこで、おなかを凹ます意識を持つとよいでしょう。
呼吸をするときの姿勢は、背筋をまっすぐ伸ばして座る。あるいは、あおむけになって、脚は腰幅程度に開き、両手の脇を少し話して手の甲を床に向け、リラックスした姿勢で行うのもおすすめです。
これはヨガのシャバアーサナ(しかばねのポーズ、あるいはやすらぎのポーズ)と呼ばれるもの。しかし、眠ってしまっては呼吸法の練習になっていません。意識はここにありながら、深い呼吸をすることによって、リラックスしていくのが狙いです。
さて、思考の働きのもうひとつは、閃きです。頭の中が鎮まっていれば、あなたが仕事でいいアイデアを得たいとき、物事の学びを深めたいとき、生き方に迷いを感じているとき、よい知恵が浮かんでくるでしょう。
意識して、呼吸をしてください。
SNSを利用している人は、スマホやタブレット、パソコンに向かっていることが多いので、どうしても姿勢がうつむき加減になりがちです。首が前に倒れ、肩が内側に入り込みがちですから、意識して背筋を伸ばし、ゆっくりと深い呼吸をするよう心掛けてみてください。視野も広がってきます。
SNSで自分盛り 自分の価値を認めてほしい人々
“自分盛り”とは、自分を実際以上に見せようとする、ひ・け・ら・か・し。
「見て、見て、見て。このオレ、この私……」をSNSでやるわけです。ところが、それを「ステキ」と思う人より、「見たくない!」「うざい!」と思っている人のほうが、どうやら多そうです。
“自分盛り”をする人は、ひとえに自分をよく見せたいから、「盛る」わけです。それはSNS上で、「人からうらやましがられるような生活ぶり」を披露し、「仕事で輝いている自分」「プライベートも充実している私」を誇示する行為です。
その演出には、たとえば「高級レスランで食事しているところ」「海外旅行先のリゾートホテルに泊まっているところ」「おしゃれなカフェでお茶を飲みながら、パソコン操作をしているところ」「バリバリにメイクしてモデル並みのポーズをとった私」「有名人とのツーショット」「選ばれた人ふうのメンバーが集まるパーティに参加しているところ」などの写真が用いられます。
こういう人達は、人から認められたいという承認欲求の強い人です。それも、「価値のある人間」として認めてほしいのです。価値のある人間とは、ステータスのある人ということになります。“自分盛り”をする人の多くは、ステータス志向の強い人です。
その写真の背景には、有名レストランやホテルのロゴがそれとなく写っている、一緒にいる人の紹介に、「知り合いの○○さん」ではなく、かならず肩書きや職業が添えてある。読んで感動したという本や観てきた映画は、すでに評価の高いベストセラー、ベストヒット。衣服やモノなら、ブランドものといった、誰にでもわかりやすいステータス・コードが示されます。
ステータスとは、ITの分野ではシステムの現状を示すもの。ゲームの世界ではロールプレイングゲーム(RPG)などのキャラクターの状態を表すレベル値などのデータのことです。
しかし、“自分盛り”をする人のステータスとは、社会的な地位や身分のことであり、またその地位や身分を表すシンボルのことです。
ステータスのある男といえば、地位や肩書き、経済力があり、それに見合った暮らしをしている男ということになります。女性の場合は、リッチな雰囲気、ステータスのある男から注目される魅力、もちろん彼女自身がキャリア女性で、地位や肩書き、名声があってもいいわけです。ようするに「成功者」とみられたい。社会的な成功者こそ、「価値ある人間」と見なしているわけです。
“自分盛り”をする若い女性を、“盛りガール”と呼ぶ人がいますが、若い女性だけではなく“盛り男”“盛り中年”“盛りおばさん”と、“自分盛り”をする人は、老若男女を問いません。
こういう人が欲しているのは、他人からの承認ですが、それはSNSのなかでは「いいね!」の数に加えて、「すごいね」「かっこいい」「ステキ」「うらやましい」「さすが」といった賞賛のコメントです。
自慢されれば、つい「いいね」「すごいね」と答えてしまうのは人の常で、これはひけらかしタイプの人の無意識のうちの対人操作です。つまり、「すごいね」とコメントしたあなたは操られたのです。
でも、操られたほうはそのすぐ後に、心の中では「ちぇっ」とか「ふん」とか、なんとなく面白くない気分になることもあります。だからもう、「見たくない!」のです。
もっとも、そこには受け止める側に妬みの感情が湧いていることもあります。“自分盛り”の人を見て、「よくやるわ」と言っている人の心の中に、暗い感情がないとは言い切れません。
承認欲求の強い人とは、人から認められたい、価値ある人間だと思われたいという気持ちの強い人です。そういう人の心の奥深くにあるものは、実は「愛されたい」という欲求なのです。
子供のころを思い出してみてください。親に褒めてもらいたいのは、親から愛されたいということでしょう。
誰もが愛を求めているのです。大人になっても……。そういう見方をすれば、“自分盛り”の人に対しても、もっと優しくなれるかもしれません。
自己表現とコミュニケーションの道具としてSNSをうまく使いこなそう
もし、あなたが“自分盛り”系の人ならば、キラキラした演出は控えめに、飾らない自分をアピールしたほうが、より人から好感をもたれるでしょう。
たとえば、日常生活でのちょっとした出来事や軽く笑えるような失敗談などを呟いてみるなど、自撮りの写真をビューティ加工しすぎて、リアルな場面で出会った人に、あとから「誰だかわからなかった」なんて言われないように。
あなたがもっとも恐れるのは、「中身ないんじゃない?」と言われること。外見を飾ることにそれ以上エネルギーを費やすより、むしろ人の目に触れないところで中身に磨きをかけましょう。誠実な人柄と実績を積む努力を重ねていることが、あなたの価値を高めます。
しかし、逆にあなたがとてもシャイな人である場合。少し“自分盛り”をする人のテクニックを見習って、自分をよく見せるよう工夫してみてもいいかもしれません。
“自分盛り”ができる人は、これが理想の自分というイメージがあり、そのイメージ通りに自分を演出しようとするわけです。あなたもなりたい自分をイメージし、そのように演出してみてはいかがでしょう。
普段は”盛らない“人だからこそ、周りの反応も好意的で、それをきっかけにSNS上での会話がはずむかも。たとえば、日常の一場面を切り取り、「見られる」ことを前提に、自分を演出してみるというのも、SNSならではプチエンターテインメント。ちょっとしたお楽しみになります。
SNS顔写真性格診断
SNSにはプロフィール写真を掲載する箇所があります。正面からとった顔写真で、目線はカメラのほうをまっすぐ向いているような写真を好んで掲載している人は、人づきあいでものおじしない性格の人。「私は」「私が」という主語をよく使います。はっきり自己主張し、物事に積極的で、行動的な面があります。
少し斜めの角度から撮った顔写真や横顔に近い写真、それもあまり顔が大きく映っておらず、背景にちょっといい感じの、あるいはちょっと変わったものが写りこんでいる。そういう写真を好んで掲載する人は、感性が豊かで繊細なところがあり、自分は他の人と同じではない、ちょっと違ったところがあるという自意識を持っています。個性を尊重してほしい人です。
誰かと肩寄せ合ってにっこり微笑んでいる写真を掲載するのが好みの人は、愛情深く親切で、優しい人。友達みんなとVサインで写っている写真をよく掲載している人は、協調性があり、仲間意識の強い人。自分の顔写真を掲載せず、めったに人が写りこんでいない風景だけの写真を好んで掲載する人は、内向的で人と一緒にいるより、ひとりでいるのが好きな人……。
といった具合に、SNSに掲載している写真などから、その人の性格を読み解くこともできます。
そのなかで、ときどき見かけるのが、自分の一部しか写っていない写真を掲載している人です。家具や置物にさえぎられて、顔が半分ぐらい隠れてしまっている写真や目から額のあたりまでの顔の4分の1ほどしか写っていない写真とか。
こういう写真を掲載する人は、“自分盛り”タイプとは、逆の自意識を持っているものです。自分は目立ちたくない、自分は大して価値のある人間ではないという、裏返しの自己アピールです。たしかに、シャイな人ではありますが、複雑な内面を持っていて気難しい部分があり、プライドを傷つけられることを恐れている面があります。
プロフィール写真に後姿、とくに後頭部を写した写真を掲載している人もたまにいます。こういう人は、いわゆる“変人”が多いようです。自分の専門や関心のある領域のことについては、いくらでも話せますが、世間話などはできないタイプです。後ろ向きはすでに、関心のあるテーマ以外で、人と積極的にコミュニケーションする気はないという意思表示とみてもよいでしょう。
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