どうしてあの人たちはつながりたいのか?
本能タイプでわかる!上手な人との付き合い方-2
自己保存本能(Self-Preservation Instinct)
自己保存本能とは、個体の生命維持に関わる本能です。
動物は生きていくために、食べ物を求め、外界の脅威や外敵から身を守るために安全なねぐらを求めます。ヒトの場合、それは食べ物、着るもの、住むところなど衣食住へのこだわりとなって表われます。
自己保存本能は、睡眠の質や健康、生活の保障としての財産の確保、身の回りの快適さを求める本能です。自己管理やセルフケアにかかわってきます。
性的本能(Sexual Instinct)
次に、性的本能ですが、これは発情期のオスとメスが求め合うような本能です。発情期の動物のなかには、異性を惹きつけるために、体毛や体色が鮮やかに変化するものがあります。性本能は魅力的なものに惹きつけられ、その対象と一体化しようとするエネルギーです。
人間の場合、性的本能は情熱の源であり、エクスタシーを求める本能であるといってもいいでしょう。エクスタシーとは忘我の境地。セクシャルな結びつきによる快感から、神秘的な何か(神とか、超越者と呼ばれる)との合一によって得られるエクスタシーまで。情熱の向かう先は男女の性だけとは限りません。
社会的な本能(Social Instinct)
3つ目は社会的な本能です。昆虫や動物の中には、群れで生活するものがいます。社会的本能は群れをつくる本能です。
個体は単独で行動するより、群れで暮らすほうが、生き残れる確率が高くなります。群れの中では、捕食者から幼獣を守るため、群れ全体の利益のために、個体が犠牲になることもがあります。
また、個体は群れの中でそれぞれの役割があります。ハキリアリの群れ、ゾウの群れ、オオカミの群れなどを思い浮かべてみてください。霊長類も群れで暮らしています。
ヒトも昔から家族を最小単位とし、部族でまとまり、集落を作って生活してきました。集団のなかでは、個が担う役割があります。その役割や責任を果たすことによって、守られてもいるわけです。
ですから、何らかの組織やグループに所属し、その集団の中の一員であることで、安心安全を得ようとするのは、もともとは本能的な欲求からくるものだとも言えるわけです。
どの本能が優位に働くか?
これら自己保存・性的・社会的といった3つの本能のうち、どの本能の欲求を満たすことにいちばん優先順位が置かれているか。
それは状況によって異なります。食べるものがなければ、性的欲求より、食欲を満たすことのほうが先になります。でも、情熱的な恋をしているときは、食べることに興味がなくなってしまうかもしれません。いわゆる、恋やつれの状態です。睡眠が遮断されるようなことがあると、何かを食べるよりもともかく眠りたいでしょう。
災害時など多くの人の命が危険にさらされた時には、私達のうちにある社会的な本能が発動し、互いに助け合おうとします。東日本大震災が起きた時には、“絆”という言葉をよく耳にしました。絆は人と人とのつながりを表す言葉です。自分が全体の中の一員であるという感覚は、理屈ではなく本能的なものなのです。
個人のなかでは、これら3つの本能のうち、どの本能の欲求を満たすことにいちばん関心が向いているか、優先順位があると考えられています。
<>※3つの本能についての考え方がどこから来ているのかについては、あとがきで触れているのでそちらをお読みください。
そして、その優先順位は人によって異なります。実は、その違いが、ライフスタイルや人づきあいの仕方の違いとなって表われるのです。
⇒本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー3
⇒本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー1
本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー2
本能タイプでわかる上手な人との付き合い方ー3
本能タイプでわかる上手な人との付き合い方―4
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